あらためて、isotypeのWordPressテーマの開発コンセプトについて説明したいと思います。
新しい物を創造するということは、常識と規制概念の否定、破壊、再構築することから産まれます。
isotypeのWordPressテーマは、他の国産WordPressテーマとは、あらゆる面において、おそらくそのすべてが「正反対」のコンセプトのもとリリースされています。
それを1つづつ解説していきたいと思います。
国産のWordPressテーマ提供会社が、セールストークとしてあげるのは、おおむね以下の項目だと思います。
■ローコスト
■二歩、三歩先を行く先進性
■多機能
■デザイン性
■SEO
それって、本当にローコスト?
まず、費用対効果という点について。WordPrssテーマを利用することによって、従来であれば、数10万から数100万かけて制作会社に依頼しなければ構築できなかったようなサイトが、驚くほどローコストで作成することが可能になります。
勿論、さらに細部までカスタマイズするには、デザイナーも必要ですし、HTML,css,PHPの知識も必要ですが、制作開会社にとっても、1からすべてのシステムを構築するよりは、柔軟性と拡張性の高いベーステーマを使用することで、格段のスピードアップを図ることができます。
「ただ、マニュアル通りに設定すれば、デモサイトと同等のクオリティの高いサイトを作ることがデ出来ます。=デモサイト以上のものは作れません。」
というテーマがほとんどだと思いますが、国産のWordPress有料テーマのほとんどは、オープンソースの意義を無視し、イノベーションを阻害するための、GPLライセンス違反を犯しています。、
・利用目的の制限(アダルトサイトの使用禁止)
・利用回数の制限(1サイトにしか使用できない)
・改変の制限(フッターにあるリンクを消してはいけない)
・再配布の制限(ソースコードを公開してはいけない)
ほとんどのWordPress有料テーマはそれを禁止していますが、これは、GPLライセンス違反であり、それは勝手に規定として主張しているだけで、正確には法的強制力はありません。
現在は暗黙で許されていたとしても、重大な訴訟が起きて判例が出れば、いつ状況が一変するかはわかりません。
ローコストと謡っていながら、月間3件のサイト制作にライセンスを購入すしたとすれば、テーマの販売価格が10,000円だとしても、年間で360,000円分のライセンスを購入しなければならないわけです。
ボリュームライセンスで割引があったり、それだけのコストをかけても、自分で1から構築するよりはいいと考えるユーザーがいることは否定はしません。
WordPress ファウンデーション商標利用規定に反し、ライセンス違反よりも、ビジネスを優先する業者がいるということです。
「二歩、三歩先を行く先進性」
そんな自己満足的なキャッチフレーズは、犬にでも食わせろ
Webの業界では、デザイナーやプログラマーのエゴで、新しい技術をすぐ試したくても、それを容認してくれるクライアントは少ないでしょう。AppleのiPhoneやiPadしかり、まだ、誰も見たことが無いものは、誰も批評すらできないのです。
「ユーザーなんて、しょせん、何も分かってないのだから、ユーザーの意見など聞く必要など無い。我々がユーザーを先導するのだ。」というのがスティーヴ・ジョブズの考えだったと思いますが、私もこれには同感ですが、よく言われているように、ユーザー第一主義で、すべてのユーザーの意見をだいじにしたあげくガラパゴス化してしまったのが、日本のガラケーです。
ただ、新しい技術は、すぐ導入すればいいものではないというのが私のコンセプトです。
「ほんの少しだけ先を行く」
これで十分なのです。
やれ、「先進的」と謡って派手なことをするよりは、「ほんの少しだけ先を行く」商品をリリースしていくことで、少しづつユーザーのリテラシーを向上させていくことのほうが重要だと考えているからです。
多機能って何?
次に、「機能」について。ショートコードで100種類のボタンや見出しを、選ぶだけで簡単に作れます!ってのは、確かに、初心者にとっては売りになるのかもしれませんが、海外のプラグイン等を使えば、詳細に設定しながらオリジナルでデザインすることもできます。
それが面倒な人にはいいというのはありますが。
また、isotypeでは、業種に特化したテーマというものをリリースしていません。
例えば、
・美容室
・ネイルサロン
・飲食店
・士業
・カフェ
・不動産
などなど。
大雑把に、ニュースメディア、個人用のブロク、企業サイト一般、ポートフォリオサイトなどの用途としては分かれていますが、このテーマは、どの業種に最適化したテーマというのはリリースしていません。
その理由として、本当に業種別に特化しているというなら、その業種用の機能を実装していないと中途半端だからです。
例えば、美容室のサイトであれば、「カットモデル」のギャラリー、スタッフの紹介ページは欲しい、飲食店であれば、商品紹介ページは欲しい。
そこに、お店各自のルールがある、予約機能やEC販売も費用となると、中途半端に、それらの機能を実装するよりは、外部サービスやプラグインにまかせたほうがいいと考えるからです。
「機能追加するには、別途で有料カスタマイズを依頼してくださいね」、というビジネスモデルの業者ならそれでもいいかも知れませんが。
デザイン性とは?
何が、いいデザインかなどとは、その人の感性によるものです。うちにいるデザイナーは、〇〇でNo.1のデザイナーなんだぜ」と宣う、怪しい経営者に会うたび、そのデザインとやらは、ろくなものであった試しがありません。
さて、isotypeテーマは、「デザインと機能を壊れるまで引き算」というキャッチコピーを謡っているところですが、何かを捨てるということは、何が重要なものかを見極める必要があるわけです。
それがミニマリズム、シンプルの根底にあるものだと思いますが、これを履き違えると、「廉価版=ミニマル。」となってしまいます。
「カレー屋を開店しました。だけど、調理や味なんてよくわからないから、市販のレトルトカレーを出してみました。どう。ミニマルでしょ?」
「整形しました。断捨離して、卒業アルバムから何から家の物をすべて捨てました。
過去の自分と決別しまた。友人関係もすべて切りました。
浜崎あゆみ大好き。どぅ、ミニマルでしょ?」
あまりにも極端な喩えですが、こんな感じでしょうか。
「創造は、既成概念を否定し、いったん破壊し、再構築するところから始まる。」
isotypeテーマでは、今後も、他社とは正反対の、一線を画したテーマを開発していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
